高齢者がインプラントを受ける際の注意点 - インプラントなら茨城県古河市の嶋野歯科医院

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高齢者がインプラントを受ける際の注意点

歯は失ってしまうとまた生えてくるものではありません。
歯を失った場合の治療法は主にブリッジや入れ歯、そしてインプラントです。
それぞれメリットデメリットはありますが、なかでもインプラント治療はとても人気の治療方法です。

インプラントとは人工歯根のことで、歯を失った部分に人口の歯根を埋め込む治療法をインプラント治療といいます。
人口歯根の上に人口歯を被せることで自分の歯のように噛めるというのが人気の理由です。

高齢者になるほど歯周病や虫歯などさまざまな理由で歯が失われていきます。
しかし、自分の歯で噛んで食べるという生活は健康寿命にも大きく影響を及ぼすといわれています。
自分の歯で好きなものを食べたいというのは人間の自然な欲求なのでしょう。

そこで、高齢者がインプラント治療をする場合の条件や注意点にはどのようなものがあるのか、持病との関連性など、気になる点を解説していきます。

インプラント治療ができる条件

インプラント治療を受けるために大前提といわれるポイントは以下です。

体力がある

インプラント治療は外科治療です。
歯が抜けてしまっている場合だけではなく抜くこともありますし、歯茎を切る、骨を削り埋め込むような治療に耐えることができる体力があることが大前提です。

また、通院回数も多くなりますので通える気力も必要です。
高齢になるとどんどん体力が落ちていきますので、その点を考慮することと、通院時や術後の食事による栄養について家族の協力もあると良いでしょう。

十分な骨量がある

インプラント治療の際、埋め込められる十分な量の骨が残っているかというのはとても重要です。
歯周病で歯茎の下の骨、歯槽骨の量が少なくなっている場合は、骨を増やす治療も必要になっていきます。

こちらも外科手術を行いますので必然的にインプラント治療の期間も長くなります。
骨がない中にインプラントを埋め込むことはできないので、じっくり治療をしていくことが大事です。

歯周病ではない

まずは、なぜインプラント治療が必要になったのか考えてみましょう。

多くの場合、歯周病が原因です。手術を受けて骨を増やし、インプラントを埋め込めたとしても歯周病のままでは次にインプラント歯周炎というものになってしまう可能性が高いのです。

また、他の歯も歯周病で抜けてしまう可能性もあります。
再発防止、さらなる歯周疾患の予防のためにも歯周病はしっかりと治しましょう。

術後のインプラントのケアができる

インプラント治療を受けた後も定期的なメンテナンスに通えるか、教えてもらった歯磨き法を自宅でも続けることができるかどうかが重要になってきます。

高齢者の場合、介護の現場でインプラントについて問題になることがあります。
自分で磨けることができればいいのですが、介助者が磨く場合は介助者にもその知識が必要となってきます。

タバコをやめる

タバコを吸っている場合、インプラント治療後の傷の治りが悪くなるという研究結果があります。
歯周病の進行にも関連しますし、この機会に禁煙をお勧めします。
どうしてもできない場合も本数を減らすなど相談が必要になります。

インプラント治療を行うのに注意が必要な病気と薬

高齢になると多くの病気を抱えてさまざまな薬を服用している方がいらっしゃいます。
そのなかでも注意すべき病気と薬がいくつかあります。
どんな持病をお持ちの方も、程度によりますが、持病でかかっている科の担当医と歯科医師とでの相談が必要になります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症の方が飲んでいる薬で特に注意が必要なのはビスホスホネート系製剤と呼ばれるものです。

この薬は骨粗鬆症や癌の骨転移に有効な効果を示すものですが、顎骨に細菌感染を起こすと骨が壊死してしまうという副作用があるのです。
歯の治療に際して外科的処置を行うと細菌感染のリスクが高くなりますので、こちらを服用している場合、インプラント治療はできません。
しかし、骨粗鬆症の中でもほかの薬を服用している場合や治療の程度により、適応できるかどうかは変わります。

糖尿病

糖尿病であっても治療によって血糖値のコントロールができている場合はインプラント治療が可能な場合があります。

しかし、糖尿病の場合は、血が止まりにくいことや治療によるストレスで血糖値が乱れる心配があります。
また、免疫力の低下により治癒が遅れてしまうことや、細菌感染を起こしやすいというリスクもあります。

もう一つ、糖尿病の場合は歯周病になりやすいという関連性があります。
そうした背景から、糖尿病に罹患している場合は特に口腔内の清掃状況を徹底する必要があるでしょう。
その点も考慮してインプラント治療をするか考える必要があります。

高血圧

高齢者になるほど血圧の高い方が増えます。
しかし、こちらも糖尿病の場合と同じく、病院で治療を受けて血圧のコントロールができている方ならば高血圧でもインプラント治療が可能な場合があります。

しかし、外科手術前の局所麻酔で使う薬にも注意が必要となりますし、治療による緊張などで血圧が上がる場合もあります。
治療前と後には血圧を測ることはもちろん、治療中にもモニタリングを行い、血圧が上がれば中断する可能性があります。

肝臓疾患

肝臓に関する病気があると肝機能障害を起こしていますので、血が止まりにくくなっています。
外科手術後に飲んでいただく薬でも肝機能を悪化させる恐れがありますので、インプラント治療を受けるのは難しいでしょう。

腎臓疾患

人工透析の治療を行っている方など重度の腎疾患をお持ちの方は免疫力が低下していることや、インプラントと骨が結合しにくい可能性が高いのでインプラント治療は難しいでしょう。

心臓病など循環器系疾患

動脈硬化や狭心症で血が固まりにくくするためのお薬を飲んでいる方や、心臓発作を起こす可能性がある方はインプラント治療を受けられません。
また、ペースメーカーを使用している方は、感染性心内膜炎になる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

昨今、高齢化社会に伴い高齢者とインプラントの関係についての研究が進んでおります。

インプラント治療には良い点も多くありますが、高齢者の場合は特に患者さん一人ひとりに対し、その治療で良いのか見極める必要があります。
また、治療後も見据えた判断が必要となるので、ご家族とも相談すると良いでしょう。

インプラント治療が自分に最適な治療法であるかは、さまざまな可能性や他の治療法の選択肢を交えて歯科医師と相談して決めていきましょう。