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インプラントに関係する学会や協会が多い理由と加入している意義とは?


インプラント治療は、失われた歯の代わりに、顎の骨の中にインプラントという人工歯根を埋め込み、それに上部構造という差し歯をつける治療法です。

そんなインプラントに関わる学会や協会が、わが国ではたくさん設立されています。

どうして、インプラントに関係する学会や協会は、一つに統一されずたくさん設立されているのでしょうか。

今回は、インプラントに関係する学会や協会について解説します。

インプラントに関係する学会とは

わが国では、医学や歯学に関する知識や技術の研究を促進し、医療の水準を向上させることを目的に、医科・歯科を問わず、数多くの学会や協会が設立されています。

インプラントも同じで、日本口腔インプラント学会・国際口腔インプラント学会・日本歯科インプラント普及協会などいろいろな学会・協会があります。

いずれの学会・協会も、インプラントの知識や技術を歯科医師に伝え、より安全性、成功率の高いインプラント治療を普及させることを目的としています。

インプラントに関係する学会や協会が多いわけ

インプラントに関係する学会や協会は、一つだけではありません。いろいろと設立されています。

どうして、たくさん設立されているのか疑問に思う方もいるかもしれません。
それは、学会のルーツや設立の経緯などが異なるからです。

例えば、詳しくは後述しますが世界的なインプラント学会である国際口腔インプラント学会の日本支部がありながら、日本人向けに日本人に適したインプラント治療を目的として日本口腔インプラント学会は設立されています。

両者はインプラント治療の新しい知見や技術を歯科医師に広げて、インプラント治療の成功率を高めるという点では同じ目的を有しています。

しかし、学会設立の経緯が異なるために、統合させることなく、両者ともに存続しているわけです。

日本口腔インプラント学会

日本口腔インプラント学会は、1986年に日本歯科インプラント学会と日本デンタルインプラント研究学会が統合して設立されました。

日本発祥の学会として、日本人の顎や歯にあったインプラント治療を研究し、普及させることを目的としています。

歯科医師の専門医制度だけでなく、歯科衛生士や歯科技工士にも認定制度を設けているのが特徴です。

日本口腔インプラント学会認定講習会などを定期的に行い、インプラントの知見や技術の普及に努めています。

国際口腔インプラント学会日本支部

国際口腔インプラント学会は、1972年に設立された世界的なインプラント学会で、現在は米国のニュージャージー州に本部があります。

その目的は、インプラント治療に関する教育を歯科医療従事者に提供することにあり、歯科医療に関する研究をサポートし、最新の知見を歯科医師に提供したり、会員の歯科医師の業績を顕彰したりしています。

わが国には、日本支部が設立されています。

日本歯科インプラント普及協会

日本歯科インプラント普及協会は、その名前の通り、わが国でスタンダードな治療としてインプラント治療を普及させることを目的に設立された協会です。

そのために、インプラントを普及させることを目的としたスタッフセミナーや、歯科医療者と患者さんとのコミュニケーションの向上を図るTC(トリートメント・コーディネーター)育成事業、総会、会員の顕彰事業などを展開しています。

日本インプラント臨床研究会

1973年に行われた初代会長である乙部朱門歯科医師のインプラント講習会にルーツのある協会で、1974年に日本インプラント臨床研究会として設立されました。

学会になるほどの規模ではないのですが、現在では日本口腔インプラント学会の認定講習会を1996年から請け負うなど、日本口腔インプラント学会と密接な関係にある研究会です。

インプラントに関係する学会に入る意義

歯科医師は、どうしてインプラントに関係する学会や協会に加入するのでしょうか。

新しい知識や技術を得るため

医学と同じように歯科医学の分野でも、新しい知見や技術が毎日のように現れています。

歯学部の学生であれば、学校に行くことでこうした新しい歯科医学の知識や技術を得られます。
しかし、いったん大学を卒業すると、自分で新しい知見や技術を探し求めなければなりません。

医学論文の文献検索サービスを利用して、文献を取り寄せる方法もありますが、忙しい診療の合間にそうしたことをするのはとても大変です。

そこで、インプラントに関する学会や協会に加入するのです。
そうすれば、学会や協会が発行する学会誌や学術大会、講習会などを通して、新しい知見や技術を得ることができるようになります。

認定医や専門医として認めてもらうため

認定医や専門医という言葉をお聞きになったことありますでしょうか。
認定医や専門医は、一定の知識や技術・診療経験を持つと各学会が認定した医師・歯科医師のことで、専門医は認定医よりも高度な知識や技術を持っている医師や歯科医師を指します。

インプラントも同じで、例えば日本口腔インプラント学会では、専門医、そして専門医を指導・育成する指導医を認定しています。

なお、認定医や専門医に認定されると、学会が定める水準の知識や技術を有していると認められます。
しかし、医師免許や歯科医師免許と異なり、生涯有効というわけではなく、定期的に学会に参加したり論文を執筆したりしなければ、数年で失効してしまいます。

インプラント治療をどこで受けようか迷っているなら

インプラント治療は基本的には保険診療で受けられないことからとても高額なうえに、インプラントを顎の骨に埋めるという外科処置が必要な治療です。

ですから、インプラント治療を受ける側からの視点で考えると、経験豊かで技術のしっかりとした歯科医師に治療してほしいと願うのが当然です。

ですが、歯科医師や歯科クリニックを一見しただけで、それを判断することはできません。
そこで参考にしてほしいのが、加入している学会や協会、所有する認定医資格や専門医資格です。

学会や協会に加入して、新しい知見や技術の習得に取り組んでいるかどうか、学会から認定医資格や専門医資格を受けているのかどうかをチェックするのです。

これからインプラント治療を受けようかどうか迷っている方は、ぜひ、これらの点を確認してみてください。

まとめ

インプラント治療に関わる学会や協会はいろいろ設立されています。
いくつもの学会や協会があるのは、設立に関わる経緯やルーツが異なるからです。

そして、いずれの学会や協会も、インプラントの新しい知見や技術といった情報を歯科医師に知らせて、安全性の高い優れた治療を患者さんに提供することを目的としています。

なかには、認定医や専門医制度を設けて、歯科医師の知識や技術を評価している学会もあります。

こうした学会や協会に加入している歯科医師は、より新しいインプラントの知識や技術を学ぶことに敏感であり、勉強熱心であると言えるでしょう。