骨移植を必要としないグラフトレスインプラントとは - インプラントなら茨城県古河市の嶋野歯科医院

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骨移植を必要としないグラフトレスインプラントとは


インプラントを成功させるためには、インプラントを埋め込もうとする場所の骨の厚みや深さがしっかりとしている必要があります。

もし、骨の状態がインプラント治療に適していない場合は、骨を移植するなどして、骨の厚みを人工的に確保していました。
しかし、人工的に骨を作り出すのは、治療費も高いですし、なにより体にかかる負担も大きいです。

そこで考え出されたのが、グラフトレスインプラントです。
今回は、グラフトレスインプラントについてご紹介します。

グラフトレスインプラントとは

グラフトレスインプラントってなに?

グラフトとは、移植治療で用いる組織片のことで、アルファベットではgraftと表記します。
インプラント治療におけるグラフトは、骨を意味します。インプラントを埋め込もうとする場所の骨の厚みが薄い、幅が足りないなどといった場合に、移植する骨のことです。

そのため、グラフトレスインプラントとは、グラフトをレス、つまり「グラフト=骨移植」を必要としないインプラントということになります。
骨の移植などを行なうことなくインプラントを埋め込みますので、身体にかかる負担も軽く、治療にかかる費用も少なくてすみます。

グラフトレスインプラントの種類

グラフトレスインプラントというインプラントがあるのではありません。
実は、グラフトレスインプラントとは骨移植を行なわないインプラントの総称です。
グラフトレスインプラントには、以下のようなインプラントが含まれています。

ショートインプラント
ショートインプラントとは、名前の通り、骨に埋め込まれる部分が短いインプラントのことです。
おおむね、骨の中に埋め込まれる部分の長さが8mm以下のインプラントを指します。
短くても骨としっかりと結合することで安定を図りますので、心配ありません。
ただし、お口の状態や骨の硬さなどの条件が問題ないことが条件ですから、誰でも受けられるわけではありません。

傾斜埋入法
骨の厚みはなくても幅があるときなどに、インプラントを傾けて埋め込むことで、インプラントの埋め込む深さを確保する方法です。
主に、上顎洞という上顎骨の骨の空洞やオトガイ孔という下唇や下顎の先端部の感覚の神経の出口を避けてインプラントを埋め込みたいときなどに行なわれます。
傾斜確度が強過ぎると、噛み合わせの力に負けてしまうこともあるので、診断と技術のハードルが高いです。

オールオンフォー
オールオンフォーとは、歯が全くなくなってしまった場合に、4カ所ほどのインプラントを埋め込み、その上に入れ歯のような歯を装着するインプラント治療です。
インプラント治療を行なったその日のうちに、仮歯までセットできるという利点があります。

グラフトレスインプラントを成功させるためには

グラフトレスインプラントを行うにあたって、便利な器具が2種類あります。

ラジオグラフィックガイドの利用

インプラント治療では事前にCTを撮影して、骨の状態を確認することが欠かせません。
普通にCTを撮影しても、骨の形が把握できるだけです。
そこで、ラジオグラフィックガイドというマウスピースのようなものをあらかじめ作っておき、CT撮影時に用いることで、後述するサージカルガイドを作成するためのデータとしても利用できるようになります。
CTを撮影するときに、少し手間をかけることで、CTの価値を高めることができるわけです。

サージカルガイドの利用

インプラントを傾斜埋入するとき、三次元的に適切な傾斜角を与えてインプラントを埋め込むのは大変難しい技術が必要となります。
そこで、利用されるのがサージカルガイドです。
サージカルガイドとは、インプラント治療の時に用いるマウスピースのようなもので、それに合わせることで、インプラントを適切な位置で、正しい向きに埋め込むことができるようになります。
サージカルガイドを事前に作っておくことが、グラフトレスインプラントを成功させるためにとても大切なのです。

グラフトレスインプラントの特徴

グラフトレスインプラントの特徴をメリットとデメリットに分けて解説します。

グラフトレスインプラントのメリット

骨の移植を行なわない
骨の移植などの骨の手術を行なわないので、インプラント治療後の痛みや腫れが軽くなります。

治療期間が短い
骨の移植を行なう場合、移植した骨が安定してくるまでに場合によっては数ヶ月もかかることがあります。
ですが、グラフトレスインプラントでは骨の移植を行なわないため、そのような期間が必要ありませんから、治療期間が短くなります。

グラフトレスインプラントのデメリット

構造的な問題
インプラント治療に限らず、斜めに埋め込まれたものは、垂直に加わる力に弱いものです。
傾斜埋入させることでインプラントを埋め込む深さは確保できますが、傾斜の角度によっては、構造上の問題が生じるリスクがあります。

強度の問題
埋め込むインプラントが極めて短い場合、インプラントの強度不足をきたすリスクが考えられ、それを補うために、インプラントの本数を増やさざるを得ないこともあります。

まとめ

グラフトレスインプラントは、インプラントを埋め込むには骨の厚みが足りない場合に、骨の移植を行なうことなしに、インプラントを埋め込むインプラント治療です。
骨の移植が必要ないことにより、治療後の痛みや腫れも起こりにくくなる上に、治療期間も短くできるという優れた特徴を持っています。
インプラントをするには骨が薄い、幅が足りない、などと言われたら、一度グラフトレスインプラントを検討してみてはいかがでしょうか。