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インプラントを使って出っ歯が治る?インプラントを使った矯正治療とは

インプラントといえば、顎の骨に人工の歯を埋め込む治療をイメージされることでしょう。
実は、このインプラント治療を応用した矯正治療があるのです。
それがインプラント矯正です。
出っ歯を治す矯正治療にもインプラント矯正は応用されています。
今までの矯正治療と比べて、インプラント矯正による出っ歯治療には、どのような利点があるのでしょうか。

今回は、出っ歯のインプラント矯正について、解説します。

出っ歯になる原因

出っ歯になる原因は、先天性(生まれつき)と後天性(生まれた後)の2つに分けられます。

先天性の原因

遺伝です。
歯並びや顎の骨格は遺伝的な影響を受けますので、両親が出っ歯の場合、子どもも出っ歯になりやすい傾向があります。

後天性の原因

生まれた後に出っ歯になる原因は、癖です。
出っ歯になるくせには、『おしゃぶりの使い過ぎ』『指しゃぶり』『口呼吸』『舌を前に出す癖』『唇を咬む癖』などがあります。

出っ歯の治療法

出っ歯を治すのは、矯正治療しかありません。
矯正治療では、マルチブラケット法やマウスピースがよく行なわれています。

マルチブラケット法

マルチブラケット法とは、歯の表面に、ブラケットとよばれる金具をつけて、ブラケットの中央にある溝にはめ込む形で、1本のワイヤーを全ての歯に通す治療法です。
一般的に矯正治療といえば、マルチブラケット法がイメージされるほど、よく普及しています。

マウスピース法

ブラケットやワイヤーを使わず、マウスピースを使って歯並びを整える矯正治療法です。
マルチブラケット法のように目立つことはありませんし、外せるので歯みがきや食事も楽に出来ます。
その一方、マルチブラケット法ほどに適応範囲が広くないのが欠点です。

出っ歯の矯正治療のポイント

出っ歯を矯正治療で治す場合、飛び出した前歯を後ろに引っ込めなければなりません。
しかし、そのスペースがないから出っ歯になっているわけです。
ですから、出っ歯を治すためには、飛び出した前歯を収めるスペースを如何にしてつくるかが、治療の成否の鍵を握っているといえます。

従来型の矯正治療の限界

前歯部にスペースがないなら、全ての歯を後ろにずらしていけばスペースができることは想像しやすいと思います。
ところが、マルチブラケット法やマウスピース法では、奥の大臼歯とよばれる大きな歯を支えにして歯を動かしているので、大臼歯を後ろに動かすことが出来ないのです。
そのため、前歯を並べるスペースを確保するために、小臼歯とよばれる前から4番目、もしくは5番目の歯を抜いて、前歯を並べるスペースをつくり出しています。
抜歯をしなくてはならないところが、従来型の矯正治療の限界といえます。

新しい矯正治療法 インプラント矯正

では、いよいよ今回のテーマであるインプラント矯正にせまっていきましょう。

インプラントアンカー

インプラント矯正では、インプラントアンカー、もしくは矯正用アンカースクリューとよばれるネジのようなものを歯ぐきから骨に埋め込みます。
インプラントアンカーは、直径1.5〜2[mm]、長さ6〜10[mm]程のの大きさでチタンで出来ており、ネジのような形をしています。
差し歯のインプラントのように、ずっと埋めるものではなく、矯正治療が終わったら取り除きます。

インプラント矯正の方法

インプラント矯正では、インプラントアンカーだけで矯正治療が出来るわけではありません。
前述したマルチブラケット法と組み合わせて治療します。
具体的には、インプラントアンカーとワイヤーをエラスティックとよばれるゴムで結びます。
ゴムは、少し小さめのサイズを選ぶことで、ピンとテンションが張った状態になります。
インプラントアンカーは骨にしっかりと埋まっているので動きませんが、歯の方は動かせます。
ゴムが縮もうとする働きによって、歯を移動させていくのです。

インプラントアンカーの埋め込みについて

処置時間が短い

インプラントアンカーの埋め込みに要する時間は、10分前後です。

局所麻酔がほとんどいらない

局所麻酔は必要ですが、抜歯やインプラント治療ほど必要ではなく、極少量の麻酔で十分です。

切開が不要

インプラント治療と異なり、埋め込むインプラントアンカーは非常に細いものです。
ですから、歯ぐきの切開をせずとも、木ねじを埋め込むようなイメージで、埋め込むことが出来ます。
切開をしないので出血もほとんどありません。

除去もかんたん

矯正治療が終わったら、インプラントアンカーは不要になりますから除去します。
除去時に感じる痛みは、局所麻酔はいらない程度の軽い痛みです。
インプラントアンカーが埋まっていた穴は、骨が再生してくるのできれいに塞がります。

出っ歯のインプラント矯正の特徴

出っ歯の矯正治療でのインプラント矯正には、どのような特徴があるのでしょうか。利点と欠点に分けて解説します。

インプラント矯正の利点

・強力な固定源となる
歯に限らず、何かを動かそうとすると作用と反作用の力が生じます。
矯正治療では、大臼歯とよばれる大きな歯を固定源として、歯を並べていくのですが、大きな歯といえども、やはり歯ですから、少し動いてしまいます。
出っ歯の場合は、前歯だけ後ろに下げたいのに、奥歯が前によってしまっては、意味がありません。
ところが、インプラントアンカーは、移動することが全くありません。
ですから、細長いインプラントアンカーであっても、大臼歯以上にしっかりとした固定源となり、前歯をより効率よく後ろに移動させられるのです。

・治療期間が短くなる
インプラントアンカーを使うことによって、出っ歯の前歯を後ろに向かって歯を効率よく移動させられるので、矯正治療にかかる期間が短くなります。

・奥歯を動かせる
大臼歯を固定源としていた方法では、大臼歯を後ろに下げることはたいへん困難でした。
ところが、インプラントアンカーを使えば、インプラントアンカーを固定源に出来るので、大臼歯を後ろに下げられるようになります。
今までなら、出っ歯の前歯を後ろに下げるために、抜歯してスペースを確保していたのが、抜歯せずに歯並びをきれいにできる可能性が生まれたのです。

インプラント矯正の欠点

・外科治療が必要
インプラントアンカーを埋め込まなければなりませんので、埋め込むための外科手術が必要です。
前述したように、抜歯やインプラント治療のように辛い処置ではないので、不安に思う必要はありません。

・年齢制限がある
インプラントアンカーを埋め込むのには、年齢制限があります。
成長途上の人では、顎の骨も大きくなっている途中にあるため、インプラントアンカーを埋め込むと、顎の骨の成長拡大に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
そのため、成長期にある人には、インプラント矯正はできないのです。

まとめ

インプラントアンカーをうって歯並びを整える、インプラント矯正について紹介しました。
出っ歯を治す時、マルチブラケット法等従来の矯正治療の方法では、抜歯をして前歯を並べるスペースを確保していました。
インプラント矯正を行なえば、奥歯を後ろに下げて前歯を並べるスペースを確保することとができます。
出っ歯の治療時に、抜歯をせずに歯並びをきれいにできる可能性がうまれるわけです。

しかも、治療期間が短くなる上に、治療効果も高いという利点があります。
歯は一度抜いてしまうと、もう二度と手に入れることは出来ません。
出っ歯の矯正治療で迷っているなら、インプラント矯正がおすすめです。