こんにちは。嶋野歯科医院、院長の嶋野です。

歯がほとんど残っていない、総入れ歯が合わない、できるだけ少ない本数のインプラントでしっかり噛めるようになりたい。そうした方の選択肢になるのが、All-on-4(オールオン4)です。

名前が広まったぶん、「4本のインプラントを入れる治療」というイメージだけが先に立っているように感じます。All-on-4の本来の姿は、4本埋めることではありません。

All-on-4は、治療の手順全体を指す言葉です

All-on-4は、ポルトガル・リスボンのMALO CLINIC(マロクリニック)で、Dr. Paulo Malo(パウロ・マロ先生)によって開発・確立された治療コンセプトです。MALO CLINIC Protocolでは、次のような工程をすべて含めて一つの治療として扱います。

  • 全身状態とお口の中の十分な診査
  • 歯科用CTによる三次元診断
  • 最終的な歯の形から逆算した治療計画
  • 骨の質と量に合わせたインプラントの選択と、高い初期固定
  • 適応症例での、手術当日の固定式の仮歯
  • 長く安定する噛み合わせと、清掃しやすい補綴の設計
  • 定期的なメンテナンス

目的は、長く快適に噛める固定式の歯を作ることです。4本という数字は、その目的のための手段の一つにすぎません。

リスボンの本院で学んだこと

当院はMALO CLINICの提携医院です。私はリスボンのMALO CLINIC本院でAll-on-4の研修を受け、外科、補綴、即時荷重のプロトコルを学びました。その後も、銀座マロ デンタル&メディカルで数年ごとにアップデートのトレーニングを受けています。Dr. Maloの講演会に参加したときの様子も、以前このブログで紹介しました。

インプラント治療は今も進歩しています。一度学んだら終わり、ではとても追いつけません。

最初に設計するのは、最終的な歯です

All-on-4でも、私が最初に考えるのはインプラントの位置ではなく、でき上がる歯のほうです。歯並び、噛み合わせ、笑ったときの見え方、発音、歯磨きのしやすさ、長期的な安定。それを先に設計してから、その歯を支えるのに最適な位置、角度、深さへインプラントを配置します。「骨に入ればよい」わけではありませんで書いた、最終的な歯から逆算する考え方と同じです。

骨が足りない場合は、骨造成や歯ぐきの処置、PRGF再生療法を組み合わせて、理想の位置に歯を作れる環境を整えます。

インプラントの種類にもこだわります

All-on-4は、インプラントなら何でもいいという治療ではありません。MALO CLINIC Protocolで長年使われてきたのは、豊富な臨床実績と科学的根拠を持つシステムで、その代表がノーベルバイオケアとストローマンです。世界中で使われ、長期予後のデータが積み重なっているうえ、部品の供給体制もしっかりしています。当院が採用しているのも、この2社のインプラントです。

手術では、X-Guide®でドリルの位置をリアルタイムに確認しながら、計画どおりの埋入を目指します。インプラントは骨との結合を助ける親水性インプラントを使い、ご希望や症例に応じて、麻酔科医と連携した静脈内鎮静法にも対応しています。

All-on-4はチームで作る治療です

インプラントの位置、初期固定、仮歯の設計、噛み合わせ、見た目、清掃のしやすさ。All-on-4では、そのすべてが長期の結果に関わります。外科だけがうまくいっても成り立ちません。

当院では、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士が連携して、手術から補綴、メンテナンスまでを一つの治療として進めています。目指しているのは、4本を埋めることではなく、10年後、20年後も快適に噛んで、笑って過ごしていただくことです。