こんにちは。嶋野歯科医院、院長の嶋野です。

インプラントや骨造成、抜歯といった外科処置のあと、多くの方が気にされるのが腫れと痛みです。術後の経過をできるだけ穏やかにして、治りを早めたい。その手段の一つとして、当院ではPRGF(Plasma Rich in Growth Factors:多血小板血漿)を使った再生療法を行っています。

材料は、患者さまご自身の血液です。

血液の中の「治す力」を取り出す

血液には、傷を治そうとする血小板が含まれています。血小板の中に詰まっているのは、骨の再生を促すもの、歯ぐきの治りを促すもの、新しい血管を作るものなど、治癒に関わるさまざまな成長因子です。

PRGFでは、採血した血液を専用の遠心分離システムにかけ、成長因子を豊富に含む血漿を取り出して治療に使います。ご自身の血液なので、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて少ないのも特徴です。

当院はPRGF-Endoret®を採用しています

当院で使っているのは、スペインのBTI Biotechnology Instituteが開発したPRGF-Endoret®というシステムです。世界80か国以上で使われていて、研究と臨床の実績に基づいて作られています。

このシステムの特徴は、白血球をできるだけ含まないPRGFを作れることです。炎症を抑えながら、組織の修復を助けることを狙っています。

どんな治療で使うのか

インプラントの埋入手術、理想の位置に歯を作るための骨造成、抜歯即時インプラント、サイナスリフトやソケットリフト、抜歯した穴の保存、歯ぐきの治りを早めたいとき。外科処置の多くの場面で使っています。

期待できるのは、骨や歯ぐきの治りのサポート、術後の腫れや痛みの軽減、骨造成材のなじみの向上、インプラントと骨の結合の後押しです。ただし効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が出るわけではありません。

2026年7月の時点で、当院でPRGFを使った症例は520を超えました。これだけ使ってきて感じるのは、使うかどうかより、どのタイミングで、どこに、どう使うかのほうがよほど結果を左右するということです。

法律に基づく届出をしたうえで行っています

PRGFを使った治療は、再生医療等安全性確保法に基づいて行う再生医療です。当院では、第三種再生医療等提供計画の届出など、法令で定められた手続きを完了したうえで提供しています。

魔法の治療ではありません

PRGFを使えば何でも治る、というものではありません。結果を決めるのは、正確な診査・診断、治療計画、精密な手術、十分な骨と歯ぐきの確保、そして術後のメンテナンスです。PRGFは、それらの土台の上で、患者さまが本来持っている治る力を引き出すための手段にあたります。

インプラントを最後に支えるのは、ご自身の骨と歯ぐきです。その治りを少しでも良くできる道具があるなら、きちんと使いたい。PRGFを取り入れているのは、そう考えているからです。