こんにちは。嶋野歯科医院、院長の嶋野です。
インプラント治療では、「どこに」「どの角度で」「どの深さまで」埋入するかが、治療の成功と長期的な安定を大きく左右します。
その精度を高めるために、当院では2020年11月にX-Guide®を導入しました。国内では比較的早い時期の導入で、以来、数百症例の埋入手術で使い続けています。
X-Guide®は手術中のカーナビです
X-Guide®は、手術中にドリルやインプラントの位置、角度、深さをリアルタイムで確認できるナビゲーションシステムです。
カーナビが現在地を示しながら目的地まで案内してくれるように、術前に立てた治療計画と今のドリルの位置を画面上で照らし合わせながら手術を進められます。歯科用CTから作成した三次元データを見ながら埋入できるため、計画からのずれはその場で修正できる仕組みです。
サージカルガイドとの違い
インプラント手術では、サージカルガイドというマウスピース型の装置も広く使われています。あらかじめ製作したガイドの穴に沿ってドリルを進める方法で、これも精度の高い手法です。
違いは、手術中に調整できるかどうかです。ガイドは計画どおりの道筋を物理的に固定します。X-Guide®は現在位置を画面で示すので、骨の硬さや出血の状態を見ながら、その場で細かく判断を変えられます。以前お話ししたとおり、CTで分かるのは骨の「形」までです。実際に開けてみて初めて分かることに対応できる点が、私がX-Guide®を使う理由です。
どんな症例で役立つか
抜歯即時インプラント、All-on-4治療、骨造成を伴う症例、前歯など見た目が重要な部位、骨の幅や高さが限られた症例。こうした難易度の高いケースで特に力を発揮します。
下顎の下歯槽神経や上顎洞といった重要な組織との位置関係も、CT画像をもとに確認しながら進められるため、安全性の向上が期待できます。ただし、すべてのリスクがなくなるわけではありません。
また、骨の状態によっては歯ぐきを大きく切開しないフラップレス手術が可能になる場合があります。術後の腫れや痛み、出血を抑えられる可能性があり、患者さまの負担を軽くできます。
機械を入れれば精度が上がるわけではありません
X-Guide®は優れたシステムですが、導入しただけで高精度な治療ができるようになるものではありません。
モニターに映る三次元画像を読み取りながら、お口の中でドリルを正確にコントロールする。ここには術者の空間認識能力と、繊細な手の動きが求められます。画面の情報を瞬時に理解して、それを手元の動きへ反映させる作業です。
個人的な話になりますが、私はこの感覚について、幼い頃から親しんだビデオゲームで培ったものが役立っていると感じています。画面を見ながら手を動かす感覚です。もちろんインプラント治療はゲームとはまったく異なる医療行為で、十分な知識と経験、綿密な診査・診断、正確な治療計画があって初めて成り立ちます。それでも、画面と手を連動させる能力がこの手術で重要な要素の一つであることは確かです。
最新機器だけでは、良い治療にはなりません
当院ではX-Guide®のほかに、歯科用CTによる精密診断、デジタルシミュレーション、親水性インプラント(ストローマン SLActive、ノーベルバイオケア TiUltra)、骨造成、必要に応じた静脈内鎮静法、噛み合わせの設計、定期的なメンテナンスを組み合わせています。
どれか一つが優れていても、他が伴わなければ結果は出ません。目指しているのはインプラントを入れることではなく、10年後、20年後も安心してしっかり噛めることです。
精密で安心できる治療をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
SNS
Instagram
shimanoshika
Facebook
X(旧Twitter)
@shimanoshika
医院からのお知らせや日々の様子を発信しています。
Xで最新情報を見る