こんにちは。嶋野歯科医院、院長の嶋野です。

「インプラントは骨に埋める治療だから、骨がある場所に入れればいい。」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現在のインプラント治療では、この考え方は主流ではありません。

当院では、最終的にどのような歯を作るのかを最優先に考え、その歯を支えるのに最適な位置へインプラントを埋入します。最終的な歯の形から逆算してインプラントの位置を決める、プロステティックドリブンと呼ばれる考え方です。

主役はインプラントではなく「歯」です

インプラント本体は人工歯根、つまり根っこにあたります。患者さまが実際に使うのは、その上に装着される人工の歯のほうです。美しく噛みやすい歯を作ることが目的で、インプラントはそのための土台にすぎません。

ですから当院の治療計画は、「ここなら骨があるから埋入する」ではなく、「ここに歯があるべきだから、その位置で支えられるように計画を立てる」という順番で考えます。

まず歯を設計し、その後にインプラントを設計します

治療計画では、先に完成形の歯を設計します。考えるのは次のような点です。

  • 歯の大きさと歯並び
  • 噛み合わせ
  • 笑った時の見え方
  • 清掃のしやすさ
  • 長期間安定する形

この完成形を描いたうえで、「この歯を支えるには、インプラントをどこへ埋入するのが最適か」を検討します。これが現在のデジタルインプラント治療の基本です。

骨が足りないときは、骨を増やすこともあります

では、理想の位置に骨が足りない場合はどうするのか。骨がある場所へ妥協して埋入するのではなく、歯を理想的な位置に作るために骨を増やす治療(GBR・骨造成)を行うことがあります。骨に合わせて歯を諦めるのではなく、歯に合わせて骨をつくるという発想です。

骨造成を行うと、見た目が自然になり、歯磨きがしやすく、長期的にも安定しやすくなります。もちろん、すべての患者さまに必要なわけではありません。骨の状態や全身の状態を評価したうえで、必要な場合にだけご提案しています。

X-Guide®で、計画をそのまま再現します

どれほど理想的な計画を立てても、実際の手術でその位置に埋入できなければ意味がありません。

当院では術前にデジタルシミュレーションを行い、最終的な歯の形から逆算して位置・角度・深さを決定します。手術ではX-Guide®ダイナミックナビゲーションを使い、術中もリアルタイムで位置を確認しながら、計画どおりの埋入を目指します。

最後に

インプラント治療のゴールは、インプラントを入れることではありません。長く快適に噛めて、自然に笑えて、清掃しやすい歯を作ることです。

そのために、CTによる三次元診断、デジタルシミュレーション、X-Guide®を活用しながら、最終的な歯の完成形から逆算した治療計画を立てています。骨に合わせるのではなく、歯に合わせる。この順番が、10年後、20年後の安心につながると考えています。